007カジノ・ロワイヤル

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 007シリーズの最新作。「007カジノ・ロワイヤル」
  これが21作目である。珍しく息の長いシリーズ映画である。
ショーン・コネリーから次々と替わる主役ジェーズム・ボンドの中でも
最もブーイングが多かったダニエル・クレイグが、いざ映画が完成したら
なかなかいいという前評判になって、評論家の中には最高傑作といって
過言ではないとコマーシャルする輩も出てくるぐらいにハマッた。
 いまの日本でマトモな映画評論家がいなくなって久しく、すぐに最高
傑作なんかいう奴は映画会社から金貰っていると考えていい。
では、この映画はどうか。悪くない。さすがに看板シリーズだけあって
筋肉番付ばりに楽しめる。
 ダニエル・クレイグもだんだんハマッてきて、カーク・ダグラスとS・
マックィーンを彷彿させる風貌に見えてくる。このシリーズは原作の
設定がしっかりしていて、「寅さん」が旅情、恋、笑いの三拍子なら、
こちらは、旅情、恋、アクションの三拍子である。この三つをしっかりと
つくりこめばまずハズすことはない。
 それを「スパイダーマン」でソニーの本業の不振を救ったように、
コロンビアのドル箱シリーズをもう一度ソニー・エンターテイメントの
商売に乗せた企画の勝ちである。
 まずタイトルバックからデザイン的に凝っていてすぐに引き込まれる。
昔の映画は、タイトルバックにアニメを使ったり面白かった。アバンT
が一斉を風靡してから廃れていった。ここは、復権がたのもしい。
 このシリーズのいい所は、最初からワクワクするようなアクションが
売り物でアフリカの港町の工事現場でそこまで行くかという追いつ
追われつのアクションシーンがいい。CGなんかじゃない体を張った
飛び移りアクションはワクワクさせる。これは何だろう。画面に失敗
したら死ぬかもしれないという緊迫感が伝わってくるのだろうか。
「マトリックス2」の高速道路でのカーチェイスがピクリともしないのに
「ブリット」のカーチェイスの方がハラハラしたように・・・・
 そして空港でのチェイスでは、最後に爆弾が犯人の尻についていた
というオチもいい。そしてカジノの対決。
今回の見所のひとつが敵役のマッツ・ミケルセン(ル・シッフル役)だ。
クリストファー・ウォーケンかジャック・パランスのような風貌で冷徹さ
が伝わってくる。デンマークの名優だそうだが、キャスティングは
合格点だと思う。ボンドガールのエヴァ・グリーンは突出していなかっ
たが、ぎりぎりセイフ。これは脚本の方の影響もあると思う。
 ラストであれだけものすごいベニスの建物を壊すアクションに絡む
ロマンスの帰結だけにもっと前の方から彼女を出すべきだと思う。
今回もまたまた脚本にポール・ハギスが折角参加しているのだから
箇条書きに事件とアクションを並べるのでなく、少し構成を練っても
良かったと思う。(しかしP・ハギスは、ハリウッドの大作の連発で
一行何万ドルだろうか)
 それからもうひとつ内容的な不満を言うと肝心のカジノの場面が
単調すぎる。テーブルを囲む面子の性格などもっと描いて、一手
一手ドキドキする編集もあったと思う。ここが山場なんだから。
 ボンド毒殺未遂が、ボンドが調子よくル・シッフルに勝ってしまった
後にいれればまだドキドキするが、あれでは、テンポが止まってしまい
まだ入れない方がよかったくらいだ。
 しかしこれらを差し引いても1800円(ディスカウント券1300円)で
映画館に行ってみる娯楽映画として結構楽しめる。
 「My Name is Bond.James Bond.」
と最後に悪役を仕留めて、この台詞を言ったアップで幕が落ち、
テーマソングがかかる。ぞくぞくする。
2008年公開の第22作もクレイグ・ボンドだという。女と構成をパワー
アップして帰ってきてほしい。
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by stgenya | 2006-12-21 15:07 | 映画・ドラマ
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