ドリームガールズ

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 ドリームワークス製作「ドリームガールズ」。2006年12月米公開。
  トム・アイン原作のブロードウェー・ミュージカル作品の映画化。
監督ビル・コンドン。出演ビヨンセ・ノウルズ、ジェニファー・ハドソン、
ジェイミー・フォックス、エディー・マフィー。
 デトロイトのアマチュア・コンテストからはじまり、中古車販売業で
歌手のジェームズ・アーリーのマネージャーをやっていたカティス・テイラー
が三人組の女性コーラスに目をとめ、スタジオつくりプロモーター
としてのしあがって行く。
 そしてバックコーラスでなく「ドリームメッツ」として売り出し、大
ヒットする。しかしこのとき一番声量のあったエフィー(ジェニファー・ハドソン)
をサブにして、ルックスのいいディーナ(ビヨンセ・ノウルス)をメイン
にする。当然はずれたエフィーは面白くない。カティスとエフィーの
対立が続き、結局エフィーをクビにして新しいメンバーを入れて
ヒット街道を快進撃をする。
 しかしジェーズム(エディー・マフイー)の自殺などでカティスは
下り坂。ディーナたちも反乱を起こし、在野から這い上がって来た
エフィーと一緒にステージで歌う。
 ストーリーは、以上のような業界内幕もの。これは、云わずと知れた
「シュープリームス」をモデルにしたモウタウンレコードの成り立ちを
なぞったエピソードをフィクションとして書き上げたものである。
 ダイアナ・ロスとシュープリームスの明るくて、伸びやかな歌声は
懐かしく耳に残っている。
 ビヨンセもエディ・マフィーもジェニファーも芸達者な人たちが揃って
モウタウンの華やかな舞台を再現していた。
確かにアカデミー賞助演女優賞をとったジェニファーの声には
圧倒される。カメラワークもぐるぐる回り込む繋がった映像で躍動感
を演出していた。
 しかしモデルといわれる「シュープリームス」のヒット曲の数々に胸
ときめかせた身としては、劇曲がそこに繋がらず心が落ちない。
そして何よりもプロモーターのカティスが単なる悪人にしか見えず
もっとモウタウンの創始者としての何か人間味があるはずではない
だろうか。又切られて子連れで苦難の道を歩かざるを得なかった
エフィー役のシェニファー・ハドソンも歌が好きで夢がこぼれ落ちて
行く女の内面の弱さと強さを充分に演じきっていただろうか。
現在のアメリカ映画の痩せおとりが見えてくるような気がした。
音楽と人生を描いた数々の名作のあるアメリカ映画でボブ・フォッシー
が生きていたらと今回観てつくづく思った。
カットのコマ数まで計算して、何度も編集やり直したボブからしたら
まだ甘いカットが多い。音とステージで歌う姿が物語の進行に従って
違っていく筈。
 勧善懲悪のわかり易さがこの業界もののミュージカルには合わない。
葛藤や対立は、夢へ向う姿勢の違いによるもの。そこが一番の
ポイントではないだろうか。
 ただ感心したことは、ビヨンセがだんだん売れて行くに従って
綺麗になって行くことだった。これは、監督と演者との幸せな瞬間
だ。そして全編の歌うシーンの迫力は、それだけでも観た価値は
確かにある。まあ、モデルたちの印象が強烈に記憶に残っている
場合どんなにうまく作っても損をするいい例の映画だった。
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by stgenya | 2007-07-21 05:20 | 映画・ドラマ
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