やわらかい手

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「やわらかい手」IRINA PALM。監督サム・ガルバルスキ。
 脚本マーティン・ヘロン、フィリップ・ブラスパン。
マリアンヌ・フェイスフル主演。渋谷ル・シネマでロングラン。
お歳暮は、黙って東急デパートでという奥様が実際多かった。
そしてエンドタイトルになって、隣の主婦ふたりが唖然として
これで終わり?って思わず声に出した。
 何を期待していたのか、男の性のはけ口となった初老の女が
息子のために改心して戻って来て、わたし、とうかしてたのよ、
って言ってハッピーエンドに終わって欲しかったのだろうか、
そして映画の後デパートの7階カフェレストランでお食事して
「人間誰でも、間違ったり寄り道することあるわよね。」
「あんな穴からペニスだけ出してイカせるショウバイって
 映画で東京で流行ってる店をまねたって言っていたけど今でも
 あるのかしら」
「いやらしくてちょっと変わったネタの、人生の過ちだったのね。
 あの映画って。シゲキを題材にした、」
「でもあれって、どんなかしら? 10分置きに大きさの違うアレ
 を握るって・・・」
「何赤くなってるのよ・・映画としてはイマイチだったわよ。」
なんて会話まで聞こえてきそうだった。
 ストーリーは、生死を彷徨う息子夫婦の幼い孫の手術費用を
捻出するために祖母マギーは、ソーホーの怪しい風俗店で働く。
そして子供のオーストラリアでの手術費用が工面できなかった
家計の苦しい息子に母マギーから大金がもたらされたが、
おかしい思った息子が尾行するとマギーは、風俗店にいた。
母にやめてくれというが、自分の柔らかい手が大人気になり
ゴットハンドとしてこんな才能があったなんてこの年まで
気づかなかった。同僚の若い子を追い抜き、他店からのひき
抜きも来るくらいのもてよう。店長のミキは、そんな彼女を
離さない。そして最後このふたりには、本当の愛が芽生えて
しまう。そんなバカな。いくら夫を亡くして淋しい老後を
送っているからって・・
ましてやお茶のみ女友達まで捨てて、男の元へ行くなんて。
ここまで見ていくと上の主婦ふたりの感想が正しい。
ただこの映画をコメディーとしてみれば、良くできてると
思える。ある意味ファンタジー・コメディーである。
いつか気がつくとアパートで孤独死するかもしれない年に
近づいて、もう一度青春を取り戻した女の話である。
しかも若い頃アラン・ドロンの「あの胸にもう一度で」で
主演女優だったあのセクシーなマリアンヌ・フェイスフル。
この変わりように驚かされるが、実生活でドラッグ、ホーム
レスと天国から地獄を味わったマリアンヌのこの年での
復活映画である。そう思うとあの最後まで動じない穏やか
な目線は納得できる。
ただ残念だと思ったのは、マギーが売れっ子になっていく
につれて、特に店長ミキから引退したら、スペインの港町
に行きたいと写真を見せられた後などから少しづつマギー
がキレイになっていくともっとよかった。
来ているダサいコートを変えたり、ショールの色を派手に
するとかもっと演出的にやりようがあったと思う。
まあ、はじめの主婦ふたりも間違ってはいないし、たぶん
映画の後の食事の味は、又違っていたかもしれない。
でもこの方が。本物の老いには、マギーの見た果実が必要
なのかも又しれない。
だってどんなに美しいバラもいつかは散るんだもの。
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by stgenya | 2008-02-02 05:48 | 映画・ドラマ
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