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新たけくらべ


台東区で素人の中学生たちとつくった「新たけくらべ」。
もちろん樋口一葉の「たけくらべ」が原作です。
それを現代の浅草に舞台を置き換えて、みどりがラスト
吉原へ出るという件は旅役者に設定をかえて地方巡業に
出て学校を転校するというエンディングにしました。
 当時みどりを演じた育美ちゃんは、中学一年生で原作の
挿絵にそっくりで全く演技などしたことがなかったにも
かかわらずラストは、自然に涙が出てきて止まらなくなり
ました。そして劇団員の林家いっ平(現在の林家三平)さん
は、これがドラマ初出演でした。
旅芸人の少女が正太郎とお寺の息子信如との間で淡い恋心が
揺れ動き、自分の気持ちが坂道の水仙を採ってくれた真如に
傾いても少年たちの噂や争いで真如も距離をとるようになる。
そんなさびしさを抱えて街を離れなければならなくなり、
最後の浅草公演がやってきた。そこへ真如からの花が届く。
こんなストーリーでした。
思春期の儚くて残酷なココロのうつろいをよく樋口一葉は
描いています。初潮が来て芸子になるというインパクトは
現代の浅草ではないかもしれけれど初恋の輝きは今も変わら
ないのでないでしょうか。
しかし樋口一葉の「たけくらべ」は、現在にも通じるもの
があり、先日亡くなった市川準の「BUSU」のような映画
にはなる原作であると思います。
by stgenya | 2008-09-23 03:46 | 映画・ドラマ
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