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旅の重さ


  「旅の重さ」
昭和47年(1972年)監督斉藤耕一、
脚本石森史郎。高橋洋子主演。松竹製作。
古い映画の話をしても観ていない人が多い。
ショーン・ペンの映画評でこの映画を書いたら、
そんなの知らないという声があり、予告編を見つ
けたので載せてみました。
70年代になって学生運動が収束と挫折を迎え
三島の自決があり、「1973年のピンボール」から
時代は大きく変わった。フォークが70年の後半
ニューミュージックになり、アンノン族が日本を
旅し、オイルショックを乗り越え世界経済へ躍進
して自由な空気の漂っていた頃だった。
映画は、青春と旅。自分のアイデンティティを求
めるニューシネマ的な撮影だった。
ディスカバー・ジャパン。
まさに日本を新しい日本人が見つめ直そうとした
時代の映画だった。
ここで大事なのは、地方都市である。
この後斉藤耕一は、「津軽じょんがら節」でキネ
旬1位をとる。「祭りの準備」「竹山ひとり旅」
「青春の殺人者」と東京以外の都市が舞台になっ
ていることが重要だと思う。
80年後半のバブルがはじけてからは、東京一極
集中になって、文化も日本映画も衰弱していく。
今古い映画を見直して懐かしさよりも居たたまれ
なさを感じてしまうのは、単に歳のせいではない
と思うのだが・・・
この映画と同じ頃同じように素晴らしい青春映画
に森谷司郎監督の「放課後」(栗田ひろみ主演)が
あることを付け加えておこう。
by stgenya | 2009-05-16 17:31 | 映画・ドラマ
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