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霧笛荘夜話

浅田次郎の去年出た小説。
横浜の港の近くの一階が半地下になった風変わりな洋館の
安アパートに住む人々の人生模様を短編集のようにつづった
物語。
 東北から身一つで出てきたホステスや行き場のないちんぴら
、バンドボーイ、特攻隊の生き残りのマドロスさんなど・・・・
特に下っ端の若造に刑務所から出てきたらなめられてしまう
お人好しのチンピラが唯一得意なのが「かんかん虫」という
船についたフジツボをぶら下がって取る堅気の肉体労働だ
というのもせつないし、体の不自由な姉が弟のために尽くし
すれすれの愛情を交わすところとかいい話がそれぞれに詰
まっているけど、ただ全体に台詞が古くさく時代劇か思われ
るくらいステレオタイプなのがきになった。d0068430_2147308.jpg
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by stgenya | 2005-06-18 21:48 | 文学

「茶の味」は、少なくていい味がでる

石井克人の去年カンヌへ持って行った「茶の味」。
 「アメリ」のような奇抜で日常と空想の入り乱れた映像
表現が持ち味の家族映画である。
 まず噂通りラストは少しホロッとくる。漫画家だったお
じいちゃんと大きな自分の空想から抜け出せない孫娘
との奇妙な関係がおもしろい。誰でも小学生のころこんな
空想に囚われるものだ。退屈な朝礼で全校生徒が炎天下
運動場に並んでいるとき校舎の屋根からゴジラが出てきた
らさぞ面白いだろうなあなんて空想して先生の話を全く
聞いていなかった幼年期を思い出す。
 ただこのバラバラに見えてある距離感をもって繋がって
いる春野家の描き方が雑でそれぞれのキャラがもう一つ
練り込まれていない。アニメーターに復活をかける手塚母
はまだしも三浦友和と淺野忠信は、相変わらず同じような
演技しかできなくてまるで春野家のお客さんのようだ。
 少なくても淺野のエピソードをそっくり外したらもっといい
映画になっていた、

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by stgenya | 2005-06-12 20:16 | 映画・ドラマ

VITALヴィタール

塚本晋也の新作。解剖学を学ぶ学生の
ご遺体にのめり込んでいく姿を「六月の蛇」
につづいて雨を使ったりして描いている。
 ストーリーは、交通事故で記憶を失った浅野
忠信がかつて付き合っていた女の子KIKIが
いっしょに事故で死んで献体で解剖教室に
預けられているのを知らずに淺野自身が
解剖わ担当するというものだが、そこはミス
テリーでもサスペンスでもホラーでもなく、
塚本の倒錯フリークが主要なモチーフとなり
お互い男女が首をしめる行為でエクスタシー
を得る欲望の内面に進んでいく。
 「クラッシュ」という映画があったがあれに
近い。ただ全作に比べて掘り下げが足らなか
った。ロン毛の淺野の演技が違うように思った。



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by stgenya | 2005-06-12 05:54 | 映画・ドラマ

sawについて

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ある日気が付くと汚いバスルームに二人の男が鎖に向かい合わせで繋がれている。
二人の間には自殺した男の死体がある。設定から面白そうだが、医者とその浮気を探偵していたカメラマンだとわかる。つまり話の中身がわかってくるとつまらなくなる。ましてノコギリが足を切るためにつかわれるのはどうも安直だ。こういうのは落としどころが難しい。発想が命。とても惜しい。
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by stgenya | 2005-06-11 11:01 | 映画・ドラマ

新作映画「オペレッタ狸御殿」

鈴木清順の「オペレッタ狸御殿」
    82歳でこれだけ自由闊達に映画がつくれたら
    すてきなことだ。
      これは、又84歳の木村威夫というデザイナー
    がいたのでなりたった企画でもある。セットと衣装
    の斬新で統一された色彩と配置の美術の表現力。
    これが清順の映画話法をして一級のラブストーリー
    に仕上げている。チャン・ツィーの復活する件の演技
    は、思わず落涙だった。
      かって木村恵吾の初版「狸御殿」から川島透の
    チェッカーズ狸御殿」まで何度も映画化されている
    エンターテイメント素材だが、今回の清順のものは、
    どれにも似てなくて、むしろ何に近いかといえば、
    フェリー二の「アマルコルド」、「道化師」に似ている
    と言った方がいい作品である。
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by stgenya | 2005-06-10 22:01 | 映画・ドラマ

6/10太陽族映画「逆光線」を観て

「逆光線」’56年日活映画
   「太陽の季節」の後つくられた日活映画。北原三枝
   が主演で当時の女子大生の反モラル的な生き方
   を描いたもので渡辺美佐子の同級生や安井昌二
   の恋人と奔放に付き合う中、家庭教師宅の父親と
   性的関係を持ってしまう主人公。
    一歩間違えばピンク映画になりかねない題材を
   「自分が愛する」という本心に忠実であろうとする
   テーマが貫かれている。監督は古川卓巳で脚本
   は池田一朗との共同である。
    内容の良し悪しは、ともかく昭和三十年代の大
   学生が毎日歌声喫茶に通いハイキングと称しては
   上高地でロシヤ民謡を歌い、山岳唱歌やフォーク
   ダンスに手を取り合っている若者の姿が健康的す
   ぎてテーマとの乖離がありすぎるようでとても違和
   感を感じた。
   ただ北原三枝の大胆な中年男を誘惑する顔は、
   一見に値する
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by stgenya | 2005-06-10 14:22 | 映画・ドラマ