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カミュなんて知らない

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新・ユーロスペースのこけら落しで新春ロードショー。
柳町光男監督の十年ぶりの新作。
この劇場の場所がどうだろう。ラブホテル街の中にある。
おまけに洒落て暗い照明をしていて上映がいざ始まろうか
というとき、中高年のおばさんが場内の段差で足を捻挫し
救急車を呼ぶというハプニング付きだった。
 さて映画の方は、’92年の「愛について、東京」以来の
劇映画になる。実際に「カミュー」自体は、’04の秋に完成
しているので実に12年ぶりである。
 映画を学ぶ大学生の生活というモチーフから老婆殺し
のテーマに割りと自然に運び、頭の長回しの導入とラスト
の急転老婆殺しの恐ろしさは、さすがである。
 人間の原罪と桎梏を描いてきた柳町監督の片鱗が
あの息つまるラストにでている。あれが本物の殺人か
どうかは、問題ではないんだ。傑作「さらば愛しき大地」
や「火まつり」で描いてきた”生を感じるための行為’
としてのリアリティが作家が作品を創りだすには
必要なのだ。すべての作品に共通する゜アヤメル゛
という行為のリアリティの中心にあるのが愛なのだ。
愛と原罪。この間の隔たりを一気に埋める装置と
して殺人がある。本当はここを現代の日本で探求して
いきたいところだがバブル以降の日本人にはこのこと
が希薄になり12年という歳月がながれた。(厳密にいえば
「チャイナ・シャドー」「愛について、東京」は中国人を
主役においているので’85年の「火まつり」以降だろう)
 主役の柏原と前田愛の描写は、現代の学生の生態
を写し、人間模様が新しい挑戦である。
 ただ吉川ひなのの役が本人のせいかか、監督のせいか
イマイチ古くてうまくいっていないように思えた。
しかしこれをつくることが重要で柳町の次へのステップ
としてくだらない若手の映画をつくっているプロデューサー
にこれを老婆の頭に振り下ろされたカナヅチのように
輝いてほしい。
 失われた12年の間に監督はまじめに毎年のように
新しい企画のシナリオを書き制作会社と折衝していた
のを少しは知っている者としてこの作品が単館ロードショー
という形で成立したことを喜びたい。
 そして中年女たちの人間模様を書いたシナリオのように
人間の生を悲喜劇に集団で描く手法を(本人は自分で
エリック・ロメール的と言っている)今回も学生たちと教授
との間で試みていたけど、この愛をめぐる行き違いから
発生するコメディーに興味があるようで、ここに新しい
鉱脈をつかんで次回作をつくってほしいと願う。
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by stgenya | 2006-01-19 16:09 | 映画・ドラマ

A Happy New Year

A Happy New Year !明けましておめでとうございます。
このイヌ年はいい年でありますように。
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by stgenya | 2006-01-02 11:56 | 映画・ドラマ