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コクリコ坂から

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「コクリコ坂から」脚本宮崎駿、監督宮崎吾郎2011年ジブリ作品。
新宿ピカデリーで昼の回。満員。ただ20分前で入れた。
この原作も知らないし、宮崎吾郎の前作も観てない。
しかしこの作品で描かれた時代の学生生活は知っている。
横浜港町と洋館の下宿、学生サークル会館と学生闘争。
1963年。上を向いて歩こう。
自分の世代からしたら一つ上の時代だが懐かしい。
最後まで涙腺がゆるんで仕方なかった。
いい映画である。使い古されているがいい話だ。
主人公少女海のひた向きさが吉永小百合にだぶって昔の日活
青春映画を観ている感覚になる。
夕焼け雲と港の海原がきれいだ。坂道を登ったり降りたり街
の舞台装置がこの男の子と女の子の物語をつつんでいる。
映画館の座席を埋めていた若い人たちは、魔法もなく空も
飛ばないジフリ作品をどう受け止めていたのだろうか。
これは、極論だがこの話は実写でやってもいい。
むしろ海が風間俊を好きになる初恋の微妙な表情はこの絵
では表現しきれていない。実写の俳優だともっと心に迫るの
ではないだろうか。
宮崎駿か高畑さんだったらもっと違ったのだろうか。
印象として吾郎監督は、結構色恋にあっさりしてるなあと思った。
しかしそれにしてもあのような古くて汚い学生サークル館は
私の大学時代もあって、同じような闘争もあった。
青嵐館。床板もやぶれ、壁の落書きも凄まじかった。
しかしそこに屯していた輩には、面白い奴がいっぱいいた。
デカルトとニーチェを語り、授業はエスケープ。
それこそカルチェラタン。
この映画脚本で宮崎駿がメッセージしていた古いものや伝統を
うまく受け継げということと青春はカルチェラタンの中にという
ものは、ストーリーの太い柱になっていた。
人は人と違って、人の中でぶつかり、生きろ。
それが青春だし、本来のにんげんの姿なのだと言っているように
感じた。今こそ日本の古いものを掘り起こすことは必要だ。
その意味でこの「コクリコ坂から」はおすすめの夏映画だ。
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by stgenya | 2011-07-26 04:11 | 映画・ドラマ

森繁久彌の次男・建さん、試写会に来る

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赤坂の試写会に森繁久彌の息子さん建(たつる)さんが夫人とともに来られた。
昭和21年に満州から3才で父久彌と引き上げてきて、父は半年ほど失業状態
だったと話された。そしてその後森繁久彌さんは、戦前に知り合っていた
古川ロッパを頼って東宝の舞台にでるが馬の足みたいな役しかなかった。
それをたまたま見ていたムーランの作家菜川作太郎が声をかけた。
昭和24年にムーランに入り、一躍人気者になる。
建さんは、ムーラン時代は貧乏でしたと話された。
しかし昭和25年にはNHKのラジオに行き、仕事がその後映画へと
広がった。建さんは、長い間貧乏だと子供のとき思っていたが
わずか3,4年だったんですねと感慨深げに話された。
森繁建さんは、とても穏やかで朗らかな人でした。
特に奥さんは、明日待子さんの姿に感激されていたようでした。
また、ちょうどこの試写会に森繁さんのものまねの得意なTBSラジオ
の大沢悠里さんもいらしていて建さんと挨拶されていた。
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by stgenya | 2011-07-21 03:49 | 出来事

スーパー8

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「スーパー8」(2011年製作アンブリン)
 脚本・監督J.J.エイブラムス、製作スティーブン・スピルバーグ
 出演エル・ファニング、カイル・チャンドラー他
  久しぶりに映画評を書きます。
 今年になって観ていないわけではなくて、「ノルウェーの森」や周防君の
 愉快なドキュメント「ダンシング・チャップリン」も観てきたし、この二つ
 は結構楽しめた。ただちょいと忙しくて書かなかったら、機を逸してしま
 った。
  さてエイブラムスの「スーパー8」。宣伝はすぐにスピルバーグの新作
 みたいにいうが別ものだし、あの名作「ET」や「未知との遭遇」を思い
 出して最高傑作と名打つ。でもやっぱり騙されるね。
 スピルバーグへのオマージュではあるが、新作として完成度が高いとは言えない。
 確かにJJエイブラムスの映画おたくの少年たちの物語としては、うまく
 つくっている。ほのかな初恋とその少年と少女の事故で亡くなった少年の母
 をめぐる家の対立などをうまくシナリオに絡めて話をつくっていた。
 たまたま8mmフィルムで撮影していたところへ列車の事故。
 ここからストーリーはぐんぐん動き出して、空軍がその事故車両にある
 ものを隠しているうちにその正体不明の生物が町を破壊していく。
 ここはパニック映画。逃げる逃げる。そしてカイル少年の父が保安官と
 いう設定が生きて、そのなぞの生物と軍との関係を究明していく。
 この辺が「ET」。最後のその宇宙人が宇宙船で飛んでいくラストが
 「未知との遭遇」。その宇宙生物が「エイリアン」。
 ここまで書いてみて、これってパロディ映画?
 いやあ。そう思ってしまう。
 せっかく少年と少女の映画つくりのいい話をそのまま膨らまして行った
 方がよかったと思う。エル・ファニングは取り立ててうまいのに・・・
 今アメリカ映画で宇宙人が出てくるとみんなエイリアンになってしまう。
 タコとマントヒヒとウツボを足したみたいな形。これ、又かと思っちゃう。
 オリジナリティを出したらいいのに・・
  渋谷東映で最終回60人の観客と観たが帰りのエレベーターで
 若いカップルの女の子がエンディングの8mm映画の方が面白かったと
 漏らした。そのとおりだと思った。
  ここから又プラス妄想家として自分だったらこの映画どうするか。
 せっかく8mmに事故列車が映っていて軍に追われるいいアイデアが
 あるのだから、町からまず犬たちが逃げ出しているという設定ももらって
 列車に乗っていたのは、ソ連の宇宙飛行していたライカ犬の入ったカプセル
 だったとすると少年たちの物語も広がって、その世界で初めて宇宙に飛んだ
 生物・ライカ犬が何十年も地球を回っていてアメリカの砂漠に落ちた。
 果たして少年たちは、その犬とどう対面して自分たちの生活とかかわり
 を持つのか、シナリオの要を笑いにするか、感動ものにするか、それに
 よって死んでいるはずのライカ犬がどんな姿でカプセルから出てくるか
 いろいろアイデアがあると思う。
  最後は、自主製作の少年たちのゾンビ映画の救世主にそのライカ犬が
 なってしまうというのだったら、エンディングの完成映画につなげられる。
 まあ、このアイデアがいいかどうかは、別としてこの「スーパー8」実に
 もったいない爽やか系の映画だった。
 人の感じた方千差万別。劇場で足を運んで観られたし。
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by stgenya | 2011-07-05 18:03 | 映画・ドラマ