三木のり一さんの祖母

d0068430_5542997.jpg

           水町庸子  池上喜代子
 
三木のり一さんに会う。
もちろん父親が三木のり平さん。
でもお婆ちゃんとお爺ちゃんがムーランの初期の大幹部俳優。
水町庸子と三國周三。そしてお母さんは、水町(三邦)瑛子で
斉藤寅次郎の「子宝夫婦」(1941)など映画や舞台で活躍。
日本橋出身の三木のり平さんは、その水町庸子の娘瑛子さんと結婚。
ここも鈴懸銀子さんと同じ日本大衆芸能のサラブレット。
のり一さんには、さらに中山呑海という日本活動写真
からトーキー映画へ移行期に活躍した名監督の血も流れている。
 ムーランの水町庸子は、可憐で明日待子が子役で
入ってきていろいろお芝居を教えたりしたトップ女優だった。
座員に手を出す癖のあった佐々木千里は、中山呑海によって
連れて来られた水町庸子に恋いこがれた。
可愛いだけだった水町庸子がムーランの黄金期の昭和10年代には、
芝居のうまい女優になっていた。
佐々木千里の想いは、ついには叶えられず
三國周三と結婚されてしまう。
貴重なアルバムをお借りしたことに感謝。
のり一さん自身もテレビの黄金期と寄席や芝居の
まっただ中にいられた人。
話が面白くあっという間の時間が過ぎた。
是非「極め付昭和芸能譚」を書いてほしい。
経験者の強さは、実際に一流の芸人と付き合っていること。
単に話を聞いたではなく、生活の一部として接していた
匂いみたいなものを知っていることって貴重である。
いや、なかなかムーランは、奥が深い。
[PR]
# by stgenya | 2011-12-16 05:53 | 人物インタビュー

岡田吉雄と忘れたボーイズ

d0068430_1858461.jpg

ムーランルージュ新宿座のバラエティの一コマ。「忘れたボーイズ」
地球の上に朝が来る。こちら陽気な忘れたボーイズ♪
もちろん「あきれたボーイズ」を捩ってのバンド。
名物コーナーで俳優たちが自由にのびのびと歌っていた。
岡田吉雄と山口正太郎らがメインだった「忘れたボーイズ」
この名バンドに有島一郎が加入して舞台で歌っていた。
昭和14年の出来事。
その珍しい写真が岡田吉雄さんの遺族から出て来た。
どんな歌を歌っていたのか。
数十枚あるこの演奏シーンの写真はどれも楽しそう。
戦前の幹部俳優で戦後途中からサラリーマンに転身して
子供を育てた岡田さん。
d0068430_19124326.jpg

新宿歴史博物館に寄贈された岡田さんのものは多く
さらに丁寧に保管されていた。
晩年岡田さんは、ムーランをなんとか残そうとされていた姿が
目に浮かぶ。
それにしても「忘れたボーイズ」の歌が聞きたい。
[PR]
# by stgenya | 2011-12-03 19:13 | 人物インタビュー

大嶋拓監督による青江舜二郎伝「龍の星霜」

d0068430_327324.jpg

大嶋拓著による父青江舜二郎の評伝「龍の星霜」を読む。
親の人生を探求することは、そのまま子のルーツを探ることでもある。
それは、もしかしたら大嶋拓監督作の映画「カナカナ」や「火星の我が家」
にそのDNAが色として出ているのかもしれない。
秋田の新聞に連載されたこの「龍の星霜」は、新鮮な発見があった。
異端の劇作家・青江舜二郎。
明治37年秋田生まれ。一高東大を出て小山内薫に師事。
本名大嶋長三郎。23才で戯曲「火」(新思潮)発表。
築地小劇場の新劇運動の草分けに参加。
1958年「法隆寺」で岸田戯曲賞。
鎌倉アカデミアや日大で講師つとめたり(津上忠氏は教え子)、
テレビ草創期に番組づくりに関わる。
また昭和36年の第三次ムーランで野末陳平さんらと
芝居を書く。小崎政房らが中心になってやったが半年で終了。
この、当時新人俳優だった財津一郎も加わった第三次ムーランがムーラン復興
の実質的な最後となる。
そしてこの前に久保田万太郎との間で盗作裁判に巻き込まれる件は圧巻。
戦前に青江の書いた「一葉舟」を昭和34年に演劇界の重鎮久保田万太郎が
「一葉伝」として盗作をする。これに抗議して裁判沙汰になった。
大家にして作家の高齢と弟子筋だとの思い込みと気のゆるみ・・・
この辺の記述は、あまり知られていないことでハラハラする。
この時久保田を弁護したのが直弟子の阿木翁助。しかし青江が勝訴する。
そして最終的に仲裁に入ったのが菊岡久利だった。
ここでかつてムーラン脱退事件で対立した阿木と菊岡が絡んでいるのに
不思議な感じを覚える。
ただこの事件で青江氏は、演劇界から外れてしまう。
晩年は、竹久夢二や石原莞爾、宮沢賢治などの評伝執筆で評価を得る。
昭和58年78才で永眠。
 しかし大嶋拓氏に「ムーランー」の映画がきっかけでお会いしてこの本
の存在を知らされるまでは、自分は演劇人ではないので青江舜二郎氏も
知らなかった。「一葉舟」盗作事件も知らなかった。
今回これを読んで志が高くてもまっすぐに歩めない運命があったことを知った。
この秋田から出て来た作家魂がどこかに灼けボックリのようにくすぶっている
ように思えてならない。それは又、子孫や青江の芝居に感銘した人の心の
奥深いところにホロホロと燃えている気がする。
 それにしても血のつながりとは不思議なもんだ。
子が親を疎う人もあれば、親の偉大さに敬う人もある。
でも親殺しもまた親の存在の発見であるし、
それは取りも直さず自分の発見でもある。
この「龍の星霜」(春風社)は、父親への愛に満ちた評伝だった。
amazon「龍の星霜」
[PR]
# by stgenya | 2011-11-28 03:13 | 文学

この人は、誰れ? 教えて下さい。

d0068430_16483995.jpg

9月18日の新宿歴史博物館での「ムーランシンポジウム」のときに
客席にいた老紳士がニコニコして私にこの写真を手渡した。
そして会も終わり、そのひとはいない。
誰だったのか・・・何を伝えたかったのか・・・
なぞの事件ー。
仕方なくカバンの中のファイルにしまってあったのだが
誰がなんの目的でくれたのか、わからない。
たぶんムーラン関係者の人だとは思うのだけれど
右のベレー帽の老人が眼鏡の酔いつぶれた老人を介抱している。
伊馬春部さんのようでもあるが、わからない。
未だになぞの写真と事件。
これが誰だかわかった方は、連絡下さい。
よろしくお願いします。
[PR]
# by stgenya | 2011-11-23 12:22 | 出来事

すてきな金縛りとすてきな隠し撮り

d0068430_4443693.jpg

三谷幸喜の映画「すてきな金縛り」を満員の六本木のシネコンで観る。
脚本・監督三谷幸喜。美術種田陽平、音楽荻野清子。
 前作の「マジック・アワー」がすこぶる面白かったので過度の期待
をして観たので少し批評が辛くなってしまった。
たとえばラストの草薙エピソードは、蛇足だったように思うし、落武者
の幽霊がストーリーの帰結に絡まなかったのが感情の置き所に肩すかし
されたように思った。まあ、それらは、いろいろ観てもらった方が
いいし、結構楽しんで観ている人が観客にいたので娯楽映画はそれで
いいと思う。何よりも今オリジナルでコメディー映画を撮り、客を
呼べるのは、この三谷監督しかいない現状なのでなんとかがんばって
貰いたい。
 さて今回この劇場版とテレビの「すてきな隠し撮り」を観て思った
ことを書いておこうと思う。どちらもキャストとスタッフは同じで別の
ドラマをつくった。だから俳優の力量が如実に出てしまった。
これは、役者はやりがいがあったしお金にもなったが正直その実力
を白日の元になったことは、残酷だっただろう。
いい役者。うまい役者。のってる役者。人気のある役者。
まあ、よかったんじゃないの。といわれる人も微妙に役を理解して
いなかったり、及ばなかった。それはテレビの早づくりだったので
時間がなかったのが不幸だったのかもしれない。
 一例ではとても振り付け師に見えなかった人もいた・・・
ただこの映画とテレビでどちらも力を発揮したのは、やはり西田敏行
だった。長いキャリアから来た役づくりと年齢による役者の顔のよさ
とが一番いいときではないだろうか。
とにかく自然に笑わせてくれる。相手役に対しても上にも下にもなって
あっという間に演じる。渥美清がやっていたことだ。
この人で「釣りバカ」以外のオリジナルの当たり役が世相と脂ののった
監督と組んでできたら、邦画のラインナップは実に明るくなるのにと思う。
そしてもうひとり今回の映画から面白いと思ったのは、深津絵里。
正直わたし好みの女優ではないので「・・金縛り」で深津が可愛いと
言っている人がわからない。ただ「・・隠し撮り」での深津がいい。
彼女は、どうしてこういう型をやぶった演技をしなかったのだろう。
あの「マルサの女」の宮本信子風に男の子ばりに跳んだ演技をして
いる。これは、発見であり面白かった。見直した。
30を過ぎて周りから「可愛さ」を求められ過ぎたのか、自分でその
「可愛さ」にこだわり過ぎたのか・・それは不幸だった。
この三谷監督にあって「・・隠し撮り」のコンシェルジュ役の俳優ヒント
を忘れないで次に行ってほしいと思う。たぶんこのコンシェルジュ役を
やっているときは楽しくてしかたなかったのではないだろうか。
人生も同じだが、俳優も監督も出会いでしかない。
才能は自分ひとりではどうにもならないのがこのショウバイ。
周防正行が新作を小倉で撮っているようで三谷幸喜とこのふたりが
動き出したことを喜びたい。
早く三谷には離婚の傷を癒してほしい。本人しかわからないがこの
ことが「すてきな金縛り」の持久力に多少影響したのかなとゲスの
勘ぐりをしてみたりしたが、映画とテレビと二本撮る発想の爆発が
あった作家の幸せを誰が、何がコントロールしてやればよかったか
難しい問題だ。まあ、再放送かDVDでこのテレビ版と合わせてこの
三谷の新作を観られることをおすすめします。
それは、ちょっと「すてき」かも。
[PR]
# by stgenya | 2011-11-22 05:38 | 映画・ドラマ

早稲田大学演劇博物館にムーランセット納める。

d0068430_2473538.jpg

新宿K's cinemaで上映中飾っていたムーランルージュ新宿座の
ミニチュアセット模型を演劇博物館に納める。
 この映画「ムーランルージュの青春」の製作のはじまりが
中村公彦先生だったことからも、森繁久彌さんや中村先生の
資料がすべて早稲田の演劇博物館に納入された経緯もあり、
当然の流れでした。
 ただ今後もこの映画が各地でたぶん長く上映される際に
この模型はいつでも幻野プロが使用できるのでみなさんの
目にすることがこれからもあると思います。
そしてムーランのかなりの資料が早稲田にもあり、この模型
も含めて演劇博物館にて「ムーラン展」が来年以降予定されて
います。さらにこの映画がきっかけで多くの埋もれていたムーラン
関係者の資料が発掘されました。これらもやがて博物館に
いくことになり、何十年か後若い学生がムーランの資料を目にして
新しい「演劇」や「映画」をつくるきっかけになることを
望みます。
100年、200年と保存されるに値する演劇的事件が佐々木千里
のはじめた「ムーランルージュ新宿座」だったと言えるのでは
ないでしょうか。
やがて来年でもムーラン模型が演博で展示されればいつでも誰でも
ムーランに触れることができるでしょう。
そのときは興味ある方はぜひお出かけ下さい。
[PR]
# by stgenya | 2011-11-20 03:04 | 出来事

有島一郎さんの墓参り

d0068430_836719.jpg

箱根は、強羅にある有島一郎の墓所へ行く。
特に今年の3月次女の誓子さんが亡くなったので
初盆でもあり、早く行くつもりだったが
今日この日になってしまった。
長女真由子さんの手紙の指示通り、
宮城野バス停からすぐだった。
d0068430_8363898.jpg

雨の登山鉄道で箱根の山を上り
宝珠院というお寺の墓所の奥に
カトリック教会の墓所がある。
その中にマリア像に見守られるように
有島さんの墓があった。
d0068430_837299.jpg
そしてその墓に書かれていたのは、
「土に還り、天に昇り、親しき友と語りおり」
の文字。
遥々山を登って来て、ホッとする文句。

「いやいや遠くから来たね。今のり平さんとお話していたとこじゃ。」
なんて聞こえてくるようで、
お元気でしたか。
ぼくも元気にがんばります。
映画やテレビで大変笑わしてもらいました。
有り難うございます。
「そうかね。そうかね。ありゃ役だからね・・ハハハハ」
雨があがって薄日が十字架に映えた。
笑っているように映えた。
そして
また青春ドラマの校長先生のように
帰り道は、わかるかねと教えてくれそうな気がした。
好きな俳優に会えたような素敵なお墓でした。
[PR]
# by stgenya | 2011-10-23 09:04 | 人物インタビュー

三崎千恵子さんの家へゆく

d0068430_4294881.jpg

鎌倉の三崎さんの家に行く。
いま家と三崎さんを支えておられる方とお話する。
体調が少し持ち直しておられるようで
新聞記事など読まれるそうですが、
まだ病院とのこと。
庭には、飼い犬のビーグルが走り回って
主の帰るのをひたすら待っている。
三崎さんもはやく帰宅したい。
もう少しして元気になって庭を散歩されるのを祈っています。
d0068430_4303327.jpg

伊馬春部さんのお嬢さんが「ムーランー」の映画見られて
三崎さんへ連絡されたようで作家では、伊馬さんをやはり
宮坂・三崎さんの座長は、一目置いていたんでしょう。
帰り道。
鎌倉の秋の空。
トンビがピーヒョロロと鳴いていた。
[PR]
# by stgenya | 2011-09-25 04:42 | 人物インタビュー

「ムーランルージュの青春」はじまる。

d0068430_232331.jpg
新宿K's cinemaでの映画公開の初日。
舞台挨拶が行われました。
明日待子さんが北海道から来られて元気に挨拶。
場内は、拍手と驚きの視線で迎えていました。
「ムーランの映画が出来て、本当にうれしいです。」
と明日さん。
d0068430_2323259.jpg








つづいて野末陳平さん。
当代一のムーラン研究家。
「ぼくのムーランの資料がこんな年になって役立って良かった。」
野末さんは、テレビではベテランだが映画出演は初めて。

d0068430_2313755.jpg

公開は、これから四週間はつづきます。
みなさん,是非劇場へ足をお運び下さい。
[PR]
# by stgenya | 2011-09-24 02:43 | 映画・ドラマ

永六輔さんと明日待子さん

d0068430_684540.jpg

昨日は、TBSラジオの永六輔・土曜ワイドに明日さん出演。
永さん、明日待子バンザイの話になると
涙ぐんでいた。
早稲田の先輩の中には、そうして戦死した人がいたのでしょう。
そして映画のパンフレットが同時にムーランガイドブックになっている
ことに気に入ってくれたようです。
長いラジオの歴史そのものの永六輔さんの番組は、
家族的なスタッフに囲まれたいい空間でした。
明日さんも永さんに逢えて嬉しかったようです。
なんとなく番組終了後に撮ったカットは、
恋人が再会したような恥じらいショットになっていました。
[PR]
# by stgenya | 2011-09-18 08:31 | 出来事